白隠禅師




白隠 慧鶴(はくいん えかく)禅師、1686年1月19日 - 1769年1月18日は、臨済宗中興の祖と称される江戸中期の禅僧である。


この白隠禅師の中でも、良く知られたお話を今日は
ご紹介しておきます。





白隠が住んでいた村の、ある娘が妊娠した。娘は聞かれても相手の名を明かさない。
しかし娘の父親が執拗に聞き出そうとし、脅しつけたので、娘はそれから
逃れようとして、それは白隠だと告げた。

娘の父親はそれ以上何も言わず、子供が生まれるのを待った。


生まれるとすぐに白隠の元へ連れて行って、「これはおまえの子供だ。」と言い、
彼の禅師の前に放り出した。


そしてそれに続けて考えつく限りの悪口雑言を浴びせかけ、あらゆる
侮蔑とあざけりをまくし立てた。


黙って聞いていた白隠は、聞き終わるとただひと言、「おお、そうなのか?」
とだけ言ってその子を腕に抱いた。


それからというもの、白隠はその子を自分のボロボロの僧衣の袂にくるんで、
どこへでも連れて歩いた。雨の日も嵐の夜も、雪の降る日も白隠は近所の家々を廻って、その子のためのミルクを乞うて歩いた。

白隠には多くの弟子がいたが、その多くが「禅師は堕落してしまった」と思い、
彼の元を去った。しかし白隠はひと言も言わなかった。


一方、母親である娘は、自分の子供から離れている苦しみと悔恨の情から、
とうとう子供の本当の父親の名を明かした。


娘の父親は白隠の元へ駆けつけてひれ伏し、頭を地に擦りつけるようにして、
繰り返し許しを乞うた。


白隠は、「おお、そうなのか?」とだけ言って、娘の父親に子供を返した。





このような心の広い人になれたら素晴らしいですね。
今朝の我が家の百日紅です。
綺麗に咲いてくれました。