遅日(ちじつ)




宮崎は朝から小雨が降り、寒い一日になりそうです。


今日は「美しい日本の季語」より
【遅日】を紹介しておきます。


 春分を過ぎると、徐々に日中の時間が長くなってきたと感じます。
実際に昼が長くなるのは夏至の前後ですが、長く寒い冬がやっと終わり、暖かい季節がやってきたことで、ひときわ日が伸びたと実感するのでしょう。





 昼の時間が長くなったと感じることを、「日永」(ひなが)といいます。比べて「遅日」は日が伸びたことを夕方に重点を置き、日暮れが遅くなったと感じることをいいます。「春日遅々」も同様の印象です。





ふと気が付くとまだ日暮れ前。日永は、のんびり過ごしても、まだ日が高いというのどかな情景。反対に遅日は、まだ一日が終わらないのかと日の長さを持て余すような、けだるい雰囲気を醸し出しています。





この庭の遅日の石のいつまでも

  高浜虚子