泥かぶら 後編




今日は泥かぶらの後編です。





こずえはそんな泥かぶらの頭の泥を払い、櫛で髪の毛をすいてあげて、かたわらの花を挿してあげるのでした。 二人の間に確かな友情が芽生えてきたのです。 ちょうどそこへ、病気の妻のために薬草を探しにきた村の男がやってきます。 その薬草は登るには危険な岩鼻にしかなく、男は失望していました。「おじさん、あたい、採って来る」 泥かぶらはそう言って駆け出しました。しばらして、全身傷だらけになって戻ってきた泥かぶらと手にして薬草を見て、男が感謝感激したのは言うまでもありません。 泥かぶらの心にも喜びがわきあがってくるのでした。


それからです。泥かぶらは、村の人のためになることを次々と考えてして実行していきます。山に入って薪を拾ってきたり、子供が泣いていたら慰めてやったり、子守りをしてやったり、人の嫌がることでもニコニコしながら次から次にしていきます。村人たちはたいそう喜び、泥かぶらも嬉しくなります。すると、心も穏やかになっていき、あれほど醜かった表情が消えてなくなっていきました。村人のために労をいとわずに働く泥かぶらは、次第に、村人にとってかけがえのない存在になっていったのです。

ところが、そんなある日、村に恐ろしい「人買い」がやってきました。人買いは借金のかたに、一人の娘を連れていこうとします。泥かぶらと同じ年の親しい娘です。見かねた泥かぶらは人買いに、自分を身代わりにしてくれと頼みます。こうして、売られていく泥かぶらと人買いとの都への旅がはじまります。旅の途中、毎日、泥かぶらは何を見ても笑い喜びます。しかも人買いを自分の父親のように慕い、親切にするのです。そんな泥かぶらの姿に人買いは、激しく心を揺さぶれます。月の美しい夜でした。人買いは、泥かぶらにお金とともに置き手紙を残してそっと姿を消します。


手紙にはこんな言葉が書かれていました。「俺はお前の寝顔を見て恥ずかしくなった。お前が話してきかせた赤ん坊のように俺の心に憎いものがなくなった。今日から人買いはやめる。いい仕事をしよう。お前も幸福にお暮らし。……俺は今踊りだしたいくらいだよ。お前のおかげだよ。お前の笑い声、俺は一生忘れない。ありがとうよ。仏のように美しい子」


泥かぶらはそのときはじめて、お爺さんが自分に示してくれた、教えの意味を悟るのです。泥にまみれて醜い姿をしていた少女も自分を変えることができました。彼女にひどい仕打ちをしていたまわりの人たちの心も、期せずして変わっていきました。


どんな人間でも、自分を変えることができます。 自分の心がけを変えるだけで、自分の人生を変えることができます。人を幸せにすることもでき、それがまた自分の幸せにつながります。そうして私たちの人生はさらに美しく、愛に満ちたものになるのです。




こんな生き方が出来たら凄いですね。
勉強になります。
心がけ一つで、人生が変わります。
笑顔、笑顔。感謝、感謝。