いのち




本当に東井先生の言葉は心に沁みますね。

「東井義男一日一言」より


「私のため」


息が
出たり入ったりしている
私のために





「ただごとのなさ 1」


長女が三つの時、大病を病んだ。
「もう今夜一晩、とてももちますまい」
そう言いわたされた夜、愛し子の脈をにぎっていると、
トントンとうってはとまってしまう。
いよいよこれで親と子の別れかと思っていると、
またピクピクと動いてくれる。
やれ嬉しやと思っていると、またとまってしまう。
その、消えては動き、動いては消えてしまうかすかな脈拍によって、
親子の縁が続いているのだと思うと、
生命に対する感じの鈍い私にも、ともに生きているということが、
ただごとではないものに感じられてきた。






「ただごとのなさ 2」


みちよ(長女)
お前は「私」の子ではなかった
お前のいのちは
とうちゃんなんぞの力で
どうにか
なるようなものではなかった
みちよ
それだのにとうちゃんは
お前を「私」の子だなんて思い過ごしていた
みちよ
とうちゃんは
今こそお前の「いのち」を拝む
そして
教室の六十人のいのちを拝む