涅槃西風



「美しい日本の季語」より


「涅槃」は、釈迦の入滅(死去)のことで、
寂滅(煩悩の火を吹き消した悟りの境地)を指すこともあります。





 入滅したとされる日(陰暦2月15日)に行われる追慕報恩の法会も、涅槃または涅槃会と呼びます。
涅槃会では、釈迦の亡くなるときの様子を描いた涅槃図を掲げて、
涅槃像を祀り、信州地方では「やしょうま」(釈迦が臨終に食べたとされる美しい餅)を供えます。




 この頃に吹く西風が、
西方浄土から現世に吹く「涅槃西風」です。
彼岸の頃なので、「彼岸西風」というときは、
太陽が真西に沈む頃の風という季節感を表しています。





 まだ冷たさの残る風ですが、涅槃西風が
吹き静まると寒さも終わりです。